シティポップが生まれた80年代、同時代の日本の「文学」は何をしていたのだろう? 世界のファンがSNSで甦らせたポップ音楽の背後には、同じ時代状況から生まれ、同様に日本オリジナルの発展を遂げた、都会文学の世界が隠されていた──きらめく都会の〈夢〉を優しく紡ぐ、「シティポップの時代」を並走した9つの物語を、いま、ここに。
目次
片岡義男 楽園の土曜日
川西蘭 秋の儀式
銀色夏生 夏の午後
川西蘭 マイ・シュガー・ベイブ
沢野ひとし プリムズをくれた少女
平中悠一 かぼちゃ、come on!
原田宗典 バスに乗って それで
山川健一 テーブルの上にパンはないけれど、愛がいっぱい
片岡義男 鎖骨の感触
【ライナーノーツ】
〝時代〟の終りと〝物語〟の始まり──「シティポップ」と、同時代(一九八〇年代)日本の「都会小説」
平中悠一